【改訂・令和元年最新版】僕がたった2ヶ月半の独学で、旅行業界唯一の国家資格を取得した話
※ 2年前の記事ですが、2019年向けに加筆修正しました!
こんにちは!
今回は、海外によく旅行される皆さんに、知っていたら活きる、ある「国家資格」をご紹介したいと思います。
旅行業務取扱管理者
この資格、聞いたことある方いらっしゃいますか?文字通り、旅行業界の方たちが必須ではありませんが目指している資格です。各営業所に最低1人は配置しないといけないと旅行業法で定められています。この資格は、国内のみを取り扱える「国内旅行業務取扱管理者」と、国内海外ともに扱える「総合旅行業務取扱管理者」の2種類あります。
僕自身は2014年の試験で総合旅行業務取扱管理者の資格を取りました。とある旅行会社に春休みの旅行の相談をしに行った際にこの資格を知り、書店で参考書をパラパラめくってみて、「これらの知識を知れば、もう一歩踏み込んだ旅ができるんじゃないか?自分が旅行に行く時の糧になるかも!」と思って受験しました。この記事では、自分自身の経験を元にし、2種類あるうちの「総合旅行業務取扱管理者」の方について述べていきたいと思います。
「全然知らなかった。この資格ってどういうやつ?」
少しでも興味を持たれた方は、是非続きを読んで頂ければと思います!
まず、科目構成の簡単なご紹介をします。この試験は以下の4科目で構成されています。
①旅行業法(100点満点)
②旅行業約款(100点満点)
→ 合わせて試験時間80分。この2つは、主に旅行会社側にとって役立つ知識
③国内旅行実務(100点満点)
④海外旅行実務(これだけ200点満点)
→ 合わせて試験時間120分。こちらの2つは、僕たち旅行者側でも役立つ知識
合格ラインは全ての科目で6割以上得点することが必要です。つまり苦手科目を得意科目で埋めあわせることはできず、苦手科目でも最低6割は取る必要があります。例えば極端な話、上記の科目を番号で表すと、①60点②60点③60点④120点は合格。①59点②100点③100点④200点は不合格となります。
では、いくつか実際の問題を見てみましょう!
募集型企画旅行契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
a. 約款に定めのない事項については、法令又は一般に確立された慣習による。
b. 旅行業者は、国内旅行の契約の履行に当たって、その手配の全部を手配を業として行う者に代行させることはできない。
c. 旅行業者が提携するクレジットカード会社のカード会員との間で締結する契約は、すべて通信契約となる。
d. 書面により結んだ特約は、法令に反するものでなければ、旅行業者にやむを得ない理由がある場合に限り、旅行者の不利となるものであっても、約款に優先して適用される。
(平成26年度総合旅行業務取扱管理者試験 第2科目 旅行業約款 第1問 問1)
次の空欄に該当するものを一つ選びなさい。
フィンランド北部のラップランドにある ( ) の郊外には、周囲を森に囲まれた幻想的で小さなサンタクロース村があり、村は一年中クリスマスムードに包まれている。
a. サーリセルカ b. タンペレ c. トゥルク d. ロヴァニエミ
(平成26年度総合旅行業務取扱管理者試験 第4科目 海外旅行実務 第7問 問26)
※ 一部改変
次にこの資格を取るメリットですが、今回は就職のためとかではなく、僕たち旅行者側の観点に立って述べたいと思います。完全に僕自身が感じたメリットになりますが、ざっくり言うと、
①国内海外ともに今まで知らなかった観光名所を知ることができる
→世界一周の際の大きなモチベーションになりました。
②日本の観光地に詳しくなれる、海外に劣らない美しさを再認識できる
③鉄道の運賃や料金計算ができる
④空港コード、航空会社コードを知ることで、空港の電光掲示板を見るのが楽しくなる
⑤パックツアー申し込みの際、小さな文字で長々と書かれた旅行業法や約款の意味を理解できる
といったことが挙げられます。
最後に実際に僕が実践した、短期間かつ独学で合格する6つのメソッドをご紹介します。この資格に関しては予備校や通信教育は使わなくても十分合格を狙えると思います。そして何より独学だと安上がりで済むというメリットがあります。
① 配点を知る
当然配点が大きい問題、そしてテキストを読めば答えが書いてある問題、みんなが取ってきそうな問題を落とさないようにしましょう。
② 海外観光資源は捨てる
海外旅行実務の科目の中に出てくる大問ですが、この設問は覚える量が膨大な割には配点が少なく(1問2点で全20問)、まずテキストに載ってるものからはほとんど出題されません。たとえ、生き字引並みに知識を入れたとしても、試験の上ではたった200点中40点分の価値しかない大問です。試験合格という観点では、この分野に膨大な時間を費やすのは非常にもったいないです。その時間はテキストを読めば確実に解答できる国際航空運賃や出入国法令の勉強に充てましょう。覚えるのは合格してからで十分だと思います。
全く勉強しなくても、例えば全部"a"をマークするといった措置で、0点という事態にはならないと思います。最悪ここを全て落としたとしても、この科目は200点満点中120点取れば良いので、あと40点分は余裕があります。
ちなみに、国内旅行実務の科目にも同じように日本の国内観光資源問題が出題されますが、これに関しては逆に捨てるとリスキーです。というのも、配点は同じ40点分なのですが、満点が100点なので、全て落としたとしたら残りは60点分しかなく残りを全問正解しなければならないからです。
具体的な対策としては、ウェブなどで旬な観光情報を入手する他、旅行イベントに行ってパンフレットを集めるのもアリでしょう。
③ 過去問を「すべて」解いて傾向を知る
旅行業法と旅行業約款は毎回同じような言い回しで出題されていることに気付きました。何回も同じ問題に遭遇するので、解き続けることで嫌でも(笑)頭に残ります。また旅行業法と旅行業約款に関しては国内旅行業務取扱管理者の試験でも出題範囲になっているので、国内旅行業務取扱管理者の過去問も解いておくと良いでしょう。過去問は時間配分のトレーニングにもなります。
ただ、あまりにも古い過去問だと、途中で制度の変更があって、出題当時は正解だったのに今は不正解になるような問題もあるので注意が必要です。
過去問は日本旅行業協会(国内管理者の場合は全国旅行業協会)のホームページからダウンロードできます👇
④ 過去問を解いてて、コンスタントに6割以上取れてる科目はもう勉強する必要はない
最初の紹介のところでも触れましたが、この試験の合格ラインは「全ての科目で6割以上」となっており、苦手科目でも最低6割は取らないといけません。得意な科目で埋め合わせることができないので、60点以上の点数は80点も100点も価値は一緒ということです。したがって、60点以上取れてるものを70点80点に上げる努力よりも、59点を60点に上げる努力の方が重要となります。
⑤ 観光資源は、可能な限り実際に観に行く
海外は厳しいかもしれませんが、国内だったら数ヶ所は行けるのでは、と思います。独学ゆえに、予備校や通信教育を使うよりも圧倒的に安く抑えられているので、そこで浮いた差額を実際に目で見てみるという実体験に投資しましょう。僕の場合、国内の観光名所に弱く、文字からのみだと絶対に覚えるのに時間がかかると思い、試験1ヶ月前に京都に行ってきました。
⑥ 可能な限り、学習用のテキストは違う種類のものを複数用意する
テキストによっては、そのテキストにしか書かれていない観光名所や、役立つ情報が載っていたりするので、複数冊持つことで知識を幅広く網羅することができます。僕の場合、JTB出版のテキストとユーキャン出版のテキスト2冊を活用していました。僕が使っていたのは2014年版ですが、テキストは毎年改訂されており、こちらが最新版です!
観光・旅行教科書 旅行業務取扱管理者【総合・国内】テキスト&問題集 第4版
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問題集に関してはこちら👇
旅行業務取扱管理者試験“総合”テーマ別問題集〈2016〉 (旅行管理者シリーズ)
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※ 問題集に関しては、更新されていないようです...
今からだと、今年の試験に関しては十分に合格を狙えるだけの期間があるので、もしこの記事を読んで少しでも興味を持たれた方は、書店でテキストを見てみて、是非トライしてみて下さい!