バリ島での2つのATM関連の事件で、ATMがトラウマになった話

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Case. 1

2017年3月5日。僕はウブドで一泊したゲストハウスをチェックアウトし、雄大なライステラス(棚田)で有名なテガララン(Tegallalang)という小さな村へ向かおうとしていた。ネット情報によると、テガラランまではゲストハウスなどで自転車かバイクをレンタルする、バイクタクシーで行く、ツアーに参加する、といくつか方法があるようだ。僕はバイクタクシーで行くことを決断(バイクの運転はできないし、ツアーは高いし、ってな理由で)。

 

バイクタクシーはすぐに捕まったものの、手元のキャッシュが足りない。「テガラランに向かう前にATMに寄ってほしい」とドライバーのおっちゃんにお願いした。最初に寄ったATMは故障中だったのか下ろせなかったので、ちょっと先にある別のATMに連れて行ってもらい、無事にバイクタクシーの運賃分を確保。ちなみに運賃は完全に交渉制だが、僕の場合30分くらいの距離を往復で15万ルピア(118ルピア=1円)で乗れた。気温自体はかなり暑いけど、颯爽と走るバイクの上で、心地よい風が僕を通り抜けていった。

 

30分ほどでテガラランに到着。そして滞在時間30分という短い中で、観たかったもの、撮りたかったものをこなして再び同じおっちゃんの運転で帰路へ。

 

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目的地に近づき、財布からお金を取り出し始めようとした際にふと、

 

「あれ、俺キャッシュカード取ったっけ、全然覚えがないぞ…焦」

 

既にお金を下ろしてからは1時間以上経っていた。

 

財布の中を見ると、やはり無かった。

 

「えっ、ヤバいヤバい。そのまま差し込まれたままやったら嬉しいけど、絶対あり得ん。中に入ってたとしても誰かに俺の預金勝手に下ろされてるかもしれん。とりあえずさっきのところに戻らな、ヤバい。」

 

おっちゃんには普通に運賃を払った後、僕はダッシュでATMに向かった。

 

「頼む、そのままであってくれ。取られたら最悪もう一枚のクレカと65ドルと日本円ちょっとで残りの2週間くらいを過ごさなアカン、それは勘弁……」

 

ATMの中には無かった。絶望感は頂点まで達していた。

 

とりあえず誰かにこのことを伝えたいと思い、辺りを見渡すと、ATMの側に警備員らしき人が座っていた。これはバリ島に限らず、途上国ではよく見られる光景だ。

 

「絶対分からんやろうけど、ダメ元で聞いてみるか…」

 

恐る恐る聞いてみる。

 

「I forgot to withdraw my cashcard here just before... Do you know ?」

 

すると、警備員は何も言わずに指をさした。何かと思ったらそこには俺のキャッシュカードが保管されてた。

 

「うわぁぁぁーーー!!!」

「Thank you very much !!」

 

あった!

俺のキャッシュカードあった!!

 

思わず彼の手を握り、握手をしてしまった(向こうは戸惑っていた笑)。

 

奇跡としか思えなかった。人生の運の半分以上を使った…笑

 

それぐらいの奇跡すぎる事件だった。こんなことあるんやなぁ。幸いキャッシュも抜き取られていなかった。

 

諦めなければ何かしら報われる、というのはこういうことだなぁ、と。

 

あまりに奇跡すぎる出来事だったので、その日の夜に呟いたツイートがこれ。

 

 

 

Case. 2

 

翌日の3月6日。僕はレギャンのゲストハウスで朝食を取りに行く前に、次のゲストハウスの宿泊代を下ろしに、近くにあったコンビニのATMに。たまたま近くにいた現地人に「ATMはあの向こうにあるよ!」と親切にも教えられた。

 

(後にこの男が僕に牙を向けることになるなんて想像もできなかった...)

 

前日のキャッシュカードの取り忘れが強烈な教訓となり、「今日は絶対に取り忘れんぞ!!」とキャッシュ以上にむしろキャッシュカードの方に全神経を集中させた。手順を入念に確認しながら、英語で表示されたタッチパネルを押し進めていく。無事に取引を終え、カードを取り出そうとした。

 

そのときだ。

 

後ろから2人の男がさりげなく寄ってきて、1人は僕を抑え、もう1人が画面上の「取引続行」のボタンを押し、一挙に引き出せる最高額のボタン(200万ルピア)を押して、取引を終了させた。

 

ものの1秒のことだった。でも、抑えられている段階では何が起こっているのかが分からなかった。「キャッシュカードを取らせてくれよ!」って思いしかなかった。

 

「なんで俺抑えられてんの?」「あれ、今お前最高額のボタン押したよな...?」「あっ、俺お金取られてんねや。」って気付いた時には既に取られて逃走されたんだけど、もう一人の多分グルであろうやつは奥に身を潜めただけで外には逃げなかった(←お土産話として既に何人かの人に話した中で、「なんで強盗なのに逃げねぇんだよ」って一番突っ込まれた箇所w)。

 

 

「お前俺の金取ったやろ?分かってんだよ、はよ返せや」って心の中で迫りながら、黙ってそいつのポケットを指差していると、これが意外にもすんなり返してくれた。50万ルピア。

 

「これで全部かなぁ」「いやでも確かあいつ200万ルピアのボタン押したような気もするんだけどなぁ(手馴れていてあまりにも動作が速かったため、僕自身確信はできていなかった)」半信半疑のまま、とりあえず泊まってたゲストハウスに帰って、Wi-Fiを接続し、明細書を確認。

 

「あっ、やっぱ200万取られてるやん!!」

 

すぐさまコンビニにダッシュ。同じ場所にいた良いインドネシア人(日本語喋れた笑)が、「ドウシタドウシタ」と僕に語りかけてきた。どうも一連の現場を見てたらしい。そして彼と一緒にグルもまだそこにいた(だからなんで逃げねぇんだよ笑)。僕は彼に詳しく事情を説明。

 

「さっきこいつ(グルを指差して)に200万引き出されて、50万は返してくれたんだけど、残りの150万がまだだ。」

 

すると彼は「俺はポリスだ。」と言って(今思うと本当だったのかな、普通に私服でビーサン履いてたし笑)、グルとバトって(交渉して)くれた。ものすごく激しめの怒鳴り合いだったけど、インドネシア語だったから僕は全く分からなかった。交渉してる間に、グルがバイクでもう一人の逃走した方の元(おそらく)に向かったりしてたけど、僕自身は「いやもう返って来んやろうなぁ」と半ば諦めていた。

 

しばらく経つと、ポリスが僕を呼んで、「150万のうち、100万なら返せる」と言ってきた。当然「いやいやあとの50万は?」って思ってしまうところだが、でも返ってくるだけ奇跡なんかなぁとも思いながら、僕は「あーじゃあ100万でいいからはよ返して。」とそれで承諾した。すんなり喜べないものの、これもある意味奇跡。

 

最終的に戻って来なかったのは50万ルピア。日本円にすると4200円相当。それでも現地の庶民にとっては割と大金レベル。

 

 

それにしてもなんで返してくれたのかもすごい不思議。俺なりに考えてみたら、もしかしたら裏に黒幕がいて、あの2人はやらされてただけで根はいいやつなのかも(っていうふうに僕は勝手に信じてる笑)。

 

 

今回の2つの事件を経験してちょっと思ったのが、取引後にATMから出てくる(現金、レシート、キャッシュカード)順番って実はすんげぇ重要で、日本はそこにうまく工夫が凝らされていること

 

日本のATMの場合、取引終了後は全てが同時に出てくるか、「キャッシュカード→現金とレシートが同時」のパターンが多いと思う。さらに親切にも「お取り忘れにご注意下さい」のアナウンスピーッピーッというブザーまである。

 

当たり前だか、一般に人がATMに行く目的は現金を引き出すためであるので、現金を取り出すのは絶対に忘れない。なので、その他の忘れやすいものを先に取り出させてから最後に現金を取り出せるしくみになっているのである。

 

しかしバリ島のATMは「現金→レシート→(取引続行しますか?の画面を経て)→(Noを押してはじめて)→キャッシュカード」の順番だ。希望額がきちんと出てきてレシートまで受け取れば、そこで安心して、続行画面の操作を忘れてしまい、結果カードを取り忘れるさらに厄介なのは、「取引続行しますか?」の画面だ。ここでYesを押してしまえば、暗証番号を入れた後の画面に飛び、希望額が自由に入力できてしまう。キャッシュカードを奪っても暗証番号がかかっててキャッシュ化できないことを分かっているのか、強盗が狙っているのはキャッシュカードではなく、僕らに暗証番号を入力させてからの、解除された後の画面を狙っているみたいだ。

 

出てくる順番が「現金→レシート→取引続行の画面→キャッシュカード」になっているインドネシアのATMは、キャッシュカードの取り忘れとATM強盗を助長する

 

今回僕がATMについて考えさせられ、最終的に導き出した結論(笑)

 

海外のATMは、色んなパターンがある。上記のような、最後に出てくる順番が違ったり、最初のキャッシュカード自体も完全に差し込むタイプもあれば、最初に差し込んだ後にすぐに引き出すタイプもある。 皆さんも海外のATMを利用する際は、どういうタイプのものなのかをしっかり確認してほしい。